グルメ月島ドットコム
Vol.6 グルメ月島ドットコム・スペシャルインタビュー
中央区出身 フォーミュラ・ニッポン&スーパーGTドライバー

武 藤 英 紀 選手
今回は、グルメ月島ドットコムの特別企画。

中央区出身のレーシングドライバー、武藤英紀選手にお話しを伺います。

武藤選手は今シーズンから、フォーミュラ・ニッポン、スーパーGTという国内最高峰のレースに参戦するトップドライバー。

地元・中央区のヒーローに、編集部が直撃取材です!
□編集: 今日はお忙しい中、ありがとうございます。当サイトはグルメ情報中心で、レースに詳しくない方も多いと思いますので… まず、武藤選手が参戦しているレースが、どんなものなのか教えてください。
■武藤: 僕はナカジマレーシングというチームから、フォーミュラ・ニッポン(以下FN)とスーパーGT(以下S-GT)という2つのカテゴリーに参戦しているんですけど、まずFNの方から説明しましょうか。 FNは名前の通り「フォーミュラカー」のレース。 タイヤがむき出しで、一人乗りで、屋根が無くて…… 平たく言っちゃえば、F1と同じ形の車でやるレースです。フォーミュラレースはF1を頂点にして、カテゴリーごとにランク分けされているんですけど、僕の乗っているFNは国内では最高クラス。その上のクラスがF1になりますね。
□編集: ナルホド。F1につながるカテゴリーなんですね。チーム監督の中嶋悟さんも、元F1ドライバーですね。
■武藤: そうですね。中嶋悟さんの名前は皆さんも聞いたことあると思いますけど、レースの世界で頂点を極めた人ですから、学ぶべき所がたくさんあります。 「ドライバー出身の監督」ということで、ドライバー気持ちをよくわかってくれていますし、すごく恵まれた環境だと思います。
□編集: S-GT(スーパーGT) というレースについては?
■武藤: S-GTは通称「ハコ車」のレースです。 フォーミュラカーと違って屋根があって……って言うと分かりにくいですね。 つまり、皆さんが乗っている乗用車をベースに造ったクルマでのレースです。 フェアレディZとかレクサスとか、フェラーリとか。 僕はホンダのNSXに乗ってます。これもクラス分けがあって、僕はGT500クラスっていう、これまた国内最高のクラスに参戦しています。
□編集: 乗用車ベースのクルマ、というと私でも乗りこなせたりするとか…?
■武藤: いや、絶対ムリ…!(笑) 
僕の乗っているNSXは500馬力もありますし、市販車とは全く別物というくらいに改造されてますから…。
乗用車にとって「快適に乗れる」っていうのは重要な事だと思うんですけど、レーシングカーに「快適」な部分、全くないですから! そういう部分を全部そぎ落として、速く走るためだけに改造してあるんです。
例えば、エアコンは速く走るためには必要ないから、当然ついていない。だから夏には車内温度が60℃くらいになっちゃう。体力的にもキツいし、もうサウナの中でエアロビクスやってるようなモノですね。
□編集: なるほど(笑)。想像以上に大変な世界なんですね。
■武藤: そうですね。FNは屋根が無いから、そもそもエアコン必要ないですけど(笑)。
こっちは600馬力もあって、最高時速で320km/hは出ますからね。ものすごいスピードの中でハンドル切ったり、ブレーキ踏んだり。身体にかかる負荷の単位で「G」っていうの、聞いたことあるかもしれませんけど、FNの場合、最大で4Gはかかります。自分の身体の4倍の力が一気にのしかかってくるから、とにかくキツい。そんな中、100分くらいのレースを走りきるんですから…。
□編集: わかりやすく言うと…?
■武藤: すっごいジェットコースターで「ドドンパ」ってあるじゃないですか。ずーーっとあれに乗り続けているような感じ? かな?
□編集: よくわかりました(笑)!普通の人には身体がもちませんね!普段どういったトレーニングをされているんですか?
■武藤: トレーニングは有酸素運動を中心に1時間半くらい、毎日やるようにしています。 専属のトレーナーさんがいるので、最適なメニューを組み立ててもらってます。 Gがかかるとキツいので、首と腕は特に鍛えていますね。でも2つのレースを掛け持ちだと日程も過密になってくるので、最近は身体を休めることにも気をつかっています。 しっかりケアするってことが大事なので、レース後にもトレーナーさんに見てもらったり…
□編集: 身体づくりには特に注意していると?
■武藤: そうですね。レーシングドライバーもアスリートですから、食べ物のことも含めて注意しています。 例えば油モノは自然と避けるようにしていますし、肉より魚を多く食べるように心がけたり…。 あっ、僕の父親、築地市場で働いているので、この辺は恵まれてますね!*実家は築地で仲卸を営んでいる(編集部)
□編集: 普段から魚を食べることが多いんですか? だんだん「グルメ月島」のインタビューらしくなってきました(笑)!
■武藤: うーん、魚は確かに好きなんですけど、最近は忙しくて、どうしても外食とかお弁当が多くなっちゃいますね。 だから家に帰ってくると、父の持ってきた魚を食べられるのがチョット嬉しい。 僕、トロとか脂っこいのはあんまり好きじゃなくて、サバみたいにサッパリしたのが好みなんです。ま、何にしても魚は好きかな。体にもいいし、子供の頃から慣れ親しんできているし。
□編集: お父さんが築地市場で働いてらっしゃるとのことですが、子供の頃、魚屋さんになろうと思ったことは無いですか?
■武藤: 無いですねー。子供の頃からずーっと、レーサーになりたいって思ってましたから。
レースのテレビを見て、憧れを持ったのがレーサーを目指すキッカケなんですけど、それって3才とか4才くらいかなー。 その頃からもうレースに夢中で、小学校に入ってカートを始めたら優勝できたりして。 面白くて、のめり込む一方ですよね。
だから「家業を継ぐ」って考える年齢に達する以前にレーサーしかなりたいモノがなかったですし…… でも今は「家業を継ぐ」っていう考えも、ほんのチョットはあるかな。 曾祖父の代から続けてきた魚屋だから、無くなっちゃうのは残念ですよね、やっぱり。 どういう形かはわからないですけど、看板は背負っていかなきゃダメかなって 「両親にも恩返しをしたいし」……と言いつつ、「今は目の前のレースに集中!」ですけど。
□編集: 自分のアイデンティティを大切にしているんですね。 では武藤選手にとって、地元・中央区というのはどういう街ですか?
■武藤: やっぱり生まれ育った街だから愛着ありますよ。 遠征であちこち飛び回ってばかりなんで、地元に戻るとリラックスできますよね。 小学校とか中学の頃からの友達も地元に残っていますし。 地方の場合だと、大人になると、みんな大都市に移り住んじゃうから、地元に帰っても友達に会えないってこともあると思うんですよ。 レーサーって結構、地方出身の人が多いから、なかなか昔の友達に会えないんじゃないかな、僕はその面では、東京出身レーサーで良かったなって思います。
□編集: 地元の友達とは、今でも良く会っているんですね?
■武藤: もちろん! 僕のレースに応援に来てくれたりしますし、地元に帰れば友達とレースに関係ない話で盛り上がれる。これってかなりのリフレッシュになりますよ。 レーサーって、レース会場ではチヤホヤされていても、いざサーキットを離れると孤独だったりするんですよね。 そんな時、飾り無くつきあえる友達がいなかったら、疲れちゃって、レースへのパワーが湧いてこないんじゃないかな。
□編集: じゃあ、友達と月島のもんじゃ屋さんで盛り上がったりとか?
■武藤: そうですね、色々なお店に行きますが、もんじゃ屋さんにも行ったりしますよ。
□編集: えっ!? もんじゃは好きでは無いのですか? 地元名物ですよね。
■武藤: いや、もんじゃはもちろん好きですけど…… もんじゃ屋さんは昔から、家族とも、友達とも良く行ったんですけど、とにかく子供の頃から食べ過ぎていて、地元の月島お店にもだいぶ貢献もしました。 今は友達と行く店はみんなに合わせます、その中で油分の少ない高タンパクなメニューや野菜物をチョイスしています。 他に好きな食べ物っていったら、魚と…、あとベビースターかなぁ…?
あんまり体には良くないかもしれないですけど、これは好き。 あっ!ベビースターもんじゃは時々食べたくなるかも(笑)!
□編集: 23才という年齢だと青春真っ只中ですね、みんなと飲み歩いたり?
■武藤: いえ 友達どうし会うのは楽しいのですが、お酒もたばこも全然飲みません、レーサーもアスリートなので体に良くない事は我慢しています 。
□編集: 武藤選手はイギリスで4年間、武者修行の経験があるそうですが、海外で食べ物に苦労しませんでしたか?
■武藤: うーん、まずイギリスでは白米があまり手に入らないですからね。あと生魚も食べない。これは魚屋の息子としては辛かったかな。 でも慣れればイギリスの伝統料理は結構おいしくて、今では恋しくなることもありますよ、特に朝ご飯(イングリッシュ・ブレックファースト)は、また食べたいな。 他にもローストビーフとか、マッシュポテトとか、グレイビーソースの味付けとか好きですね。 あとインド系移民が多いので、インド料理も本格的で、結構おいしかったですよ。 日本の食べ物も実家から送ってきてくれたんで、お餅とか和菓子とかも時々…。
□編集: ベビースターは送ってきた?
■武藤: 送ってきませんでした(爆笑)!
□編集: 他にイギリス時代の思い出というと?
■武藤: そうですねー、地元で中学の卒業式をやった翌日に、いきなりイギリスに行っちゃいましたから、とにかく大変でしたね。言葉も全然わからないから、買い物もできないしタクシーにも乗れない。それでホームステイ先のおじさんの仕事を手伝いながら、辞書を片手に強制的に言葉を覚えていったという感じかな。辞書が僕のライフラインでしたね、ホント。
ホームステイ先の街が下町で、いい人ばかりだったので、街の人にもずいぶんお世話になりました。色んな人達とも出会えたし、人の親切の大事さというのがよくわりましたね。

※武藤選手は早く一人前のレーサーになるべく中学校卒業後、すぐにイギリスに渡り元F1レーサー、マーチン・ドネリー氏の元でレースの修行へと飛び込む(編集部)
□編集: 下町の雰囲気というのが好きなんですね。 中央区の中で下町でもある地元地域に望むこと、やってみたいことなどはありますか?
■武藤: 中央区の街を、レーシングカーで走ってみたいですね! FN、S-GTどっちでもいいんで。例えば海外だと、モナコ・グランプリっていうのは、モナコの市街地でF1のレースをするんですよ。 ほかにも市街地を走るレースはいくつもある。 だから中央区でもそういうレースができたら面白いかなーって。 そうなると自宅からレース会場まで近くて楽っていうのもありますけど(笑)。 去年はツインリンクもてぎ(サーキット)のある栃木県茂木町でFNマシンのパレード走行があったし、ロンドンでもレーシングカーのパレード走行イベントやったりするんですよ。そういうのでもいいから、東京で実現したら面白いと思いますね。 きっと、たくさんの人に興味を持ってもらえるだろうし。晴海や湾岸地域で小さい車のレースもイベントでいいかもしれませんね、何らかの形で育った地元地域に恩返しもしたいですしね。
□編集: 最後に武藤選手の夢や、今年の抱負など聞かせてください。
■武藤: やっぱり目標は世界に出て、F1の舞台で戦うこと。 そのためにも今は、ひとつひとつのレースに全力でぶつかるしかないですね。 今年はファンクラブも新体制で地元の方を始め全国から入会していただいているのでとても嬉しくたくさんの人に応援してもらえると力になるので、皆さん是非応援してください。 よろしくおねがいします!
□編集: ありがとうございました。私達も地元を挙げて応援していきたいと思います。 ご健闘を期待しています!
■武藤: はい がんばります!
Formula Nippon Official Site 「武藤英紀」オフィシャルサイト

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